こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野です。
前回に続き、留学ビザから「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」など就労ビザへの在留資格変更手続き について解説します。
前回は、「1.留学生の在留資格変更が必要な場合」と「2. 日本で働くことができる在留資格とは」を解説しました。
今回は、その続き「3. 在留資格変更許可申請の方法」と「4. 留学ビザから就労ビザへの変更」「5. 在留資格を変更時の留意点」を解説していきます。
※ビザと在留資格の定義は異なりますが、一般的に認識されている、在留資格を「ビザ」という表現を交えてお伝えしていきます。
目次
3.在留資格変更許可申請の方法
- 申請に必要な書類
- 申請人
- 申請先
- 手数料
- 申請期間
- 審査期間
- 申請タイミング
4.留学ビザから就労ビザへの変更
◇「技術・人文知識・国際業務」とは
◇「技術・人文知識・国際業務」の要件
◇ 必要書類
◇ 特定技能とは
◇ 特定技能外国人を受け入れる分野
◇ 特定技能の種類
◇ 特定技能の要件
◇ 受入れ機関等について
◇ 受け入れ機関の義務
◇ 特定技能のメリット
5.在留資格を変更時の留意点&まとめ
3. 在留資格変更許可申請の方法
●申請に必要な書類
申請書は在留資格に応じて使用する様式が異なります。変更したい在留資格の様式をダウンロードして使用します。下記出入国在留管理庁の「在留資格変更許可申請」のページから申請書のダウンロードが可能です。
出入国在留管理庁 > 在留資格変更許可申請https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-2.html
申請書以外の必要書類についても、在留資格に応じて必要書類が異なりますので、出入国在留管理庁ウェブサイトで確認してください。
●申請人
在留資格変更許可の申請人は下記になります。
- 申請人本人(留学生など日本での滞在を希望している外国人本人)
- 代理人(地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている者で、申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員など申請人から依頼を受けたもの。)
- 申請人本人の法定代理人(申請人との関係を証明する資料(住民票等)の持参が必要)
- 取次者(地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの)
在留資格変更許可申請>申請提出者 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-2.html#midashi05
●申請先
外国人本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。
●手数料
申請時にお金はかかりませんが、在留資格の変更が許可されると手数料4,000円が必要です。4,000円の収入印紙で納付します。
●申請期間
在留資格の変更の事由が生じたときから在留期間満了日以前。
※「在留期間更新許可申請」や「在留資格変更許可申請」をしている間に、現在の在留資格の期間が満了(現在の在留資格の期限切れ)となってしまった場合、「在留期間の特例」という制度があります。
「在留期間の特例」とは、在留期間が満了する日までに「在留期間更新許可申請」や「在留資格変更許可申請」をしていれば、在留期間が満了した後も申請の可否判断がなされる日、又は在留期間の満了の日から2カ月を経過する日のどちらか早い日まで、引き続いてそれまでの在留資格をもって在留することができる制度です。
出入国在留管理庁>特例期間とは?https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/tokureikikan_00001.html
●審査期間
審査期間は、出入国在留管理庁が公表している「在留審査処理期間」でおおよその必要日数が確認できます。例えば、「技術・人文知識・国際業務」は、入管局で申請してから、おおよそ60日程度(約2カ月)必要です。
出入国在留管理庁>在留審査処理期間https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyuukokukanri07_00140.htm
※上記資料は申請を受けてから許可に至るまでの期間(許可を告知するまで)であり、不許可処分・申請取下げ等は含まれません。
※在留期間更新許可申請、在留資格変更許可申請の場合、処分日は許可の告知時(入管局にお越しいただく日)となるため、実際の審査自体は表示された日数よりも短い場合がありま す。
●申請タイミング
留学ビザから就労ビザへ変更するタイミングは、入社の約3~4か月前です。4月入社の予定であれば、12月頃から準備するのが望ましいです。
ただし、就労ビザ申請(在留資格変更申請)の際に、雇用契約書等の写し等の提出が必要です。そのため、先に就職先の内定を受け、雇用契約書を締結した後に、在留資格変更申請という流れになります。
4.留学ビザから就労ビザへの変更
就労ビザの代表格である「技術・人文知識・国際業務」へ変更について見ていきましょう。留意点は、企業カテゴリーにより提出する書類が異なることです。まずは就職する企業(または自社)がどのカテゴリーに該当するか確認しましょう。※「企業のカテゴリー」とは出入国在留管理庁が定めた分類のことです。
●留学ビザから「技術・人文知識・国際業務」への変更
◇「技術・人文知識・国際業務」とは
「技術・人文知識・国際業務」は、技術者や専門家に対して交付される在留資格です。具体的に、自然科学や工学の分野(技術)、法律学や経済学などの人文科学の分野(人文知識)、翻訳や通訳などの国際業務を担う人が対象になります。各分野で高度な知識やスキルを必要とする業務に従事するための就労ビザです。「技術・人文知識・国際業務」を取得するには、大学卒業、専門資格の保有などが必要となります。
◇ 「技術・人文知識・国際業務」の要件
- 職務に関連する学歴や職歴がある
- 専門的な知識を必要とする業務内容である(単純労働を主たる業務として行うことは認められていないことに注意)
- 給料は日本人と同等かそれ以上の水準
- 企業と外国人との間で雇用契約等が結ばれている
- 企業の経営状態が安定していること
- 外国人本人は犯罪などをしていないこと
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、主に大学等を卒業(又はこれと同等以上の教育を修了)した外国人が対象になります。大学等で学んだ専門知識や技術を活かして働く在留資格です。そのため、外国人本人の学歴や学んできた内容と、従事する仕事内容が関連していることが必須となります。
◇ 必要書類
必要書類は、カテゴリー【共通】と【個別】があります。
出入国在留管理庁>在留資格変更許可申請https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/gijinkoku.html
◇カテゴリーに【共通】の必要書類
- 在留資格変更許可申請書
- 写真1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
※ 申請書の写真添付欄に写真を直接印刷したものを提出いただいても差し支えありませんが、指定の規格を満たさない不適当な写真を用いて申請が行われた場合には、写真の撮り直しが必要です。
- パスポート及び在留カード 提示
◇カテゴリーごとの【個別】必要書類
■カテゴリー1
- 四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書(写し)
- 主務官庁から設立の許可を受けたことを証明する文書(写し)
- 高度専門職省令第1条第1項各号の表の特別加算の項の中欄イ又はロの対象企業(イノベーション創出企業)であることを証明する文書(例えば、補助金交付決定通知書の写し)
- 上記「一定の条件を満たす企業等」であることを証明する文書(例えば、認定証等の写し)
■カテゴリー2
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
- 在留申請オンラインシステムに係る利用申出の承認を受けていることを証明する文書(利用申出に係る承認のお知らせメール等)[カテゴリー3に該当することを立証する資料を提出した上で、在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関に限る。]
■カテゴリー3
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
◇ カテゴリー【3および4】の必要書類
■ 労働条件通知書もしくは雇用契約書の写し(労働者に交付される労働条件を明示する文書)
■ 申請人の学歴及び職歴その他経歴等を証明する文書
(1)申請に係る技術又は知識を要する職務に従事した機関及び内容並びに期間を明示した履歴書 1通
(2)学歴又は職歴等を証明する次のいずれかの文書
- 大学等の卒業証明書又はこれと同等以上の教育を受けたことを証明する文書
- 在職証明書等で、関連する業務に従事した期間を証明する文書(大学、高等専門学校、高等学校又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に係る科目を専攻した期間の記載された当該学校からの証明書を含む。)
- IT技術者については、法務大臣が特例告示をもって定める「情報処理技術」に関する試験又は資格の合格証書又は資格証書
- 外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事する場合(大学を卒業した者が翻訳・通訳又は語学の指導に従事する場合を除く。)は、関連する業務について3年以上の実務経験を証明する文書
■ 登記事項証明書
■ 事業内容を明らかにする資料として、勤務先等の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先と取引実績を含む。)等が詳細に記載された案内書、またはその他の勤務先等の作成した文書
■ 直近の年度の決算文書の写し。(規事業の場合は事業計画書)
■ 雇用理由書 ※任意
※「雇用理由書」の提出については任意ですが、審査官に外国人留学生を雇用する理由背景を説明する重要な役割があります。
※ 当社でもほとんどのケースで「雇用理由書」を添付しています。なぜ会社がその外国人を雇用する必要があるのか、外国人留学生の保有する専門性やキャリアと従事する仕事内容がどのように適合しているか、また留学生を雇用することで、会社にどのような効果が期待できるか等を説明する有力な書類になります。
●留学ビザから「特定技能」への変更
続いて、「留学ビザ」から「特定技能」へ在留資格を変更する場合の要件や、必要書類について見ていきましょう。
◇ 特定技能とは
特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。2018年に可決・成立した改正出入国管理法により在留資格「特定技能」が創設、2019年4月から受入れが可能となりました。さらに、2024年3月29日の閣議決定及び同年9月の関係省令施行により、特定産業分野に「自動車運送業」、「鉄道」、「林業」、「木材産業」の4分野が追加されました。
◇ 特定技能外国人を受け入れる分野
特定技能外国人を受け入れる分野は、生産性向上や国内人材確保のための取り組みを行ってもなお、人材を確保することが困難な状況にあるため、外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野(特定産業分野)です。すべての産業で本制度を利用できるわけではないことに留意が必要です。
特定産業分野(16分野)
①介護 ②ビルクリーニング ③工業製品製造業 ④建設 ⑤造船・舶用工業 ⑥自動車整備 ⑦航空 ⑧宿泊 ⑨自動車運送業 ⑩鉄道 ⑪農業 ⑫漁業 ⑬飲食料品製造業 ⑭外食業 ⑮林業 ⑯木材産業
※特定技能1号は16分野で受入れ可。特定技能2号の受入れ分野は青字の11分野(工業製品製造業については一部業務区分が対象)において受入れ可能になりました。
特定技能制度は、日本の労働力不足を補う「労働力の確保」を目的としているため、就労ビザの代表格「技術・人文知識・国際業務」などでは行えない単純労働を含めることで幅広い業務を行うことが可能です。
外国人特定技能制度/公益社団法人日本農業法人協会https://hojin.or.jp/agri/agri_category/non-japanese/specified
◇ 特定技能の種類
特定技能は1号および2号の2つの種類があります。1号は最大5年の滞在、2号では一般の就労ビザと同じく何年でも制限なく継続して働くことが認められています。
特定技能1号
特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
特定技能2号
特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
◇ 特定技能の要件
●特定1号取得の要件
特定技能1号の在留資格を取得するには、①日本語能力試験および②特定分野の特定技能試験に合格する必要があります。
※「介護」分野についてのみ、①②に加えて「介護日本語評価試験」の合格も必要。
なお、特定技能1号は、技能実習2号を良好に修了することで移行ができます。
①日本語能力試験
日本国内や各国で実施される「日本語基礎テスト(JFT-Basic)」又は「日本語能力試験(JLPT)」の4級に合格する必要があります(2号の場合、日本語能力試験は不要)。
日本語基礎テスト(JFT-Basic)公式ページ(国際交流基金)https://www.jpf.go.jp/jft-basic/
日本語能力試験(JLPT)公式ページ(国際交流基金・日本国際教育支援協会)https://www.jlpt.jp
②技能試験(技能評価試験)
技能試験は、対象となる分野において、外国人が即戦力として業務を行うために必要な知識や経験を持っているかを測る試験です。①の日本語能力試験は分野共通の試験ですが、②の技能評価試験は分野ごとの試験になります。
特定技能総合支援サイト https://www.ssw.go.jp/about/sswv/#headline-1604991082
●特定2号取得の要件
「特定技能2号」は「特定技能1号」より高度な技術が求められます。特定産業分野に属する「熟練した技能」と経験を持つ外国人向が取得できます。
「熟練した技能」は、長期間の実務経験等から熟練した技能を身に付けており、現場の作業者のリーダーとなって指示や監督ができる水準が求められます。具体的に、特定技能2号を取得するには、下記①②を満たす必要があります。
①特定技能2号評価試験、もしくは技能検定1級の合格
②監督・指導者として一定の実務経験
※試験内容や求められる実務経験は分野により異なります。
例えば、建設分野では「熟練した技能を有する外国人」に対して、以下2つの要件を満たすことで特定技能2号の取得が可能となっています。
- 班長としての一定の実務経験(建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験)
- 技能検定1級の水準に相当する建設分野特定技能2号評価試験(実施主体:JAC)合格または技能検定1級の取得
一般社団法人建設技能人材機構より抜粋 / https://jac-skill.or.jp/columns/point/about-specific-skills-no2.php
◇ 受入れ機関について
受入れ機関(特定技能所属機関)とは、特定技能外国人を受け入れ、支援する企業・個人事業主等のことです。受入れ機関は外国人材と雇用契約を結びます。雇用契約において、外国人の報酬額が日本人と同等以上であることを含め所要の基準に適合していることが求められます。
◇ 受入れ機関の基準
特定技能外国人を受け入れるためには、法令等で定められた基準を満たす必要があります。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切であること
例)特定技能外国人の報酬の額や労働時間などが日本人と同等以上である
- 受入れ機関自体が適切であること
例)受入機関に5年以内に出入国・労働法令違反がない
- 外国人を支援する体制があること
例)外国人が理解できる言語で支援可能
- 外国人を支援する計画が適切であること
例)生活オリエンテーション等を含む
◇ 受入れ機関の義務
1号特定技能外国人に対する支援について
特定技能制度においては、外国人受入れを行う企業である「受入れ機関(特定技能所属機関)」は、1号特定技能外国人に対して業務や日常生活を円滑に行えるように、「支援計画」を作成し、支援を行うことが義務付けられています。
ちなみに、2号特定技能外国人への支援は義務ではありません。2号特定技能外国人は日本での生活もある程度長くなり、日本語能力なども高くなっているため、支援がなくても生活ができるであろうという理由からです。この1号特定技能外国人の支援実施については、登録支援機関に委託が可能です。
◇ 特定技能のメリット
・特定技能は、「技術・人文知識・国際業務」と違い、学歴と業務内容との関連性が求められないため、採用がしやすい一面があります。
・留学生のなかには、最終学歴が日本語学校や専門学校で、業務内容とあまり関係のない専攻の場合なども考えられます。何を専門としているのかが漠然とする分野については、業務との関連性を証明することが難しくなります。しかし、特定技能であれば最終学歴は関係なく、該当分野の試験に合格していればよく、これまで技術・人文知識・国際業務としては在留資格を取りづらかった留学生も対象となることから、採用の範囲が広がります。
・ただし、特定技能を取得できる産業分野は限定されているので留意が必要です。登録支援機関との連携が必要なケースもあるなど、自社にあったサービスを利用し、計画的に外国人労働者を受け入れましょう。
5.在留資格を変更時の留意点&まとめ
留学ビザから在留資格を変更時の留意点をお伝えします。
●在留資格が仕事内容と一致しているかが重要です。
●審査期間は60日前後です。現在の在留資格の期間満了前に変更手続きをしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
留学ビザから就労ビザへについて、2回に分けてお伝えしました!ファイブ行政書士法人では、在留資格(ビザ)についての実績も豊富です。
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