こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野です。
今回のテーマは、「外国人雇用」についてです。今回を第1回とし、3回に分けて「外国人雇用」について、わかりやすく解説します。
最近、お客様とお話しする中で、「人手が足りない」という言葉を聞く機会が増えました。外国人の雇用を検討されている経営者の方も多い印象です。
外国人が日本で就労するには、日本で従事する職務内容に応じた在留資格が必要です。そもそも企業が外国人を雇用しようと検討する際、どのような点に留意すべきでしょうか。以下の構成で「外国人雇用について」解説してきます。
外国人を雇用しようと検討する際、企業が雇用する前に確認すべきことは大きく2つあります。
◆ 外国人労働者が担当する業務内容の決定
◆ 在留資格の確認
それぞれ詳しく解説します。
◆ 外国人労働者が担当する業務内容の決定
日本人労働者は、企業と労働者の労働契約によって在職中の労働者の職種を変更できることが一般的です。しかし、外国人が日本で就労する場合、外国人の在留資格(※)は、従事する職務内容によって決まるため、在職中の職種変更は原則認められないので注意が必要です。
■ 在留資格(※)
在留資格とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要な法的な資格です。在留資格は、外国人が日本で在留できる活動を類型化したもので、現在38種類の在留資格があります(※)。外国人は日本で行う活動に応じた在留資格を取得して、在留することができます。在留資格の中には、留学や家族滞在など原則、日本で働くことができない資格もあるので留意が必要です。
■ 在留資格の種類
在留資格は大きく3つに分かれます。
① 就労に制限がない在留資格(永住者や日本人配偶者など)
② 就労に制限がある在留資(技術・人文知識・国際業務や特定技能など)
③ 就労不可の在留資格(留学や家族滞在など)
外国人が日本で働く場合、①か②の就労可能な在留資格が必要です。(③も資格外活動許可を得れば、制限内で就労が可能です。資格外活動については後述します)
日本に一定期間住んでいる外国籍の方で永住権を取得している、外国人の配偶者が日本人で、日本人配偶者として日本で生活をしているなど、「身分系の在留資格」があるケースです。①の場合、外国人が日本で働く際、就労制限がないため、日本人同様、(法律に反するケースを除いて)どんな仕事、職務内容でも就労することができます。
②は、在留資格で認められた活動の範囲で働くことができます。しかし、裏を返せば、認められた活動範囲を超える就労はできません(就労に制限がある)。例えば、外国人留学生が学校卒業後、日本企業で就職する際、職務内容に応じた在留資格に変更して働くことになりますが、付与された在留資格の活動を超えて収入を伴う活動(仕事)はできず、その場合、不法就労となるので注意が必要です。
【注意すべきポイント】
● 外国人が付与された在留資格の活動以外で収入を伴う活動を行う場合は、不法就労(※)となり退去強制等に処せられます。
● 在留資格で認められた職務以外に就かせた場合、企業側は不法就労助長罪(入管法第73条の2)に該当するので注意してください。
不法就労助長罪とは
働くことが認められていない外国人を雇用した事業主や、不法就労をあっせんした者
罰則
3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科
外国人の雇用時に、当該外国人が不法就労者であることを知らなくても、在留カードの確認をしていない等の過失がある場合は処罰の対象となります。又、その行為者を罰するだけではなく、その法人、雇用主等に対しても罰金刑が科せられます。
(出典)警視庁/不法就労者を雇用した事業主は不法就労助長の処罰対象になりますhttps://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/live_in_tokyo/tekiseikoyo.html
■ 不法就労(※)
不法就労とは、在留資格で認められていない仕事(活動)をすることです。上述したように、外国人は日本で行う活動に応じた在留資格を取得して、在留することができますが、外国人が付与された在留資格の活動以外で収入を伴う活動を行う場合は、不法就労となり退去強制等に処せられるので注意してください。
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※ 参考までに下記、鹿児島労働局Q&Aから抜粋した「不法就労」についての質問と回答を載せています。
Q6 不法就労者とはどのような場合をいいますか。
A 1. 我が国に不法に入国・上陸したり、在留期間を超えて不法に残留したりするなどして、正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動
2. 正規の在留資格を持っている外国人でも、許可を受けずに、与えられた在留資格以外の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動
(鹿児島労働局)Q&A https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/nennshougaikoku/0906.html
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ポイント① 外国人労働者が担当する業務内容の決定
外国人を雇用する際はどのような職務(業務内容)で、職務遂行のために外国人労働者にどのような能力が必要なのかを明確にし、担当する職務を決定しましょう。
職種を変更したい場合、「在留資格変更許可申請」をすれば可能ですが、新たな資格で許可を申請するため、申請すれば必ず許可が下りるとは限らない点、また、変更許可申請のための書類準備や手数料(許可された際に6,000円)、申請から許可までに時間を要する点などに留意が必要です。
◆ 在留資格の確認
上述したように、在留資格とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要な法的な資格です。採用の際は、求人に応募があった時点で取得している在留資格で就労が可能かどうか、取得している在留資格でどんな活動(仕事)ができるかどうか確認しましょう。
なお、在留資格の種類は外国人が持っている「在留カード」で確認ができます。
在留カードの表面には、「在留資格の種類」(下記サンプルでは「留学」)や「就労制限の有無(下記サンプルでは「就労不可」)」で確認ができます。
裏面には「資格外活動許可の有無」が記載されています。下記サンプルには、「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」とあります。
■ 資格外活動とは
「留学」は原則就労できない在留資格ですが、就労や留学等の在留資格で在留する外国人の方が、許可された在留資格に応じた活動以外に、アルバイトなど、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に行う申請(「資格外活動許可申請」を行い、許可を受ければ、(その他要件もありますが)原則1週に28時間以内の収入を伴う事業が可能です。
上記では、留学生が資格外活動許可を受け、原則1週に28時間以内のアルバイト等を行える状態であることが分かります。
●出典:出入国在留管理庁/在留カードについてhttps://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html
ポイント② 在留資格の確認時のポイント
●在留カードの有無を確認
在留カードのコピーでは内容を改ざんされるおそれがあるので、身分確認の時は必ず、実物の在留カードで確認してください。
●在留カード表面の就労制限の有無欄を確認
- 「就労制限なし」の場合、就労内容に制限はありません
- 「就労不可」の場合、原則雇用はできませんが、在留カード裏面の資格外活動許可欄をご覧下さい。
- 一部就労制限がある場合は制限内容をご覧下さい
●在留カード裏面の資格外活動許可欄を確認
在留カード表面の「就労制限の有無」欄に「就労不可」または「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載ある方であっても、裏面の「資格外活動許可欄」に記載された制限に基づき就労することができます。
- 許可(原則週28時間以内・風俗営業の従事を除く)
- 許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動) など
●在留カードを所持していなくても就労できる場合
「3月」以下の在留期間が付与された方等は旅券で就労できるかを確認してください。「留学」「研修」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」の在留資格を持って在留している方は資格外活動許可を受けていない限り就労できません。
(警視庁)外国人の適正雇用についてより抜粋
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/live_in_tokyo/tekiseikoyo.html
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さて、今回の第1回は「外国人を雇用する前に確認すべきこと」について解説しました。
次回は、外国人雇用についての第2回として、「外国人の雇用パターン」について解説します。
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