家族信託:家族信託の基礎知識【No.4】

こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野です。先日、知り合いの保険会社の方から、遺言以外の相続対策として、「家族信託」について知りたいというお問合わせがありました。そこで、今回は、

「家族信託の基礎知識」についてお話します/

さて、みなさんは「家族信託」をご存知でしょうか。聞いたことはあるけれど、内容については「よく知らない」方がほとんどだと思います。

今回は、柔軟な財産管理・継承が可能な「家族信託」の基礎知識について説明します。

目次

1.家族信託とは

2.家族信託の登場人物

3.家族信託の活用事例

1.家族信託とは

家族信託は、認知症や相続の対策として利用されている制度で、家族に財産を託す財産管理の手法の一つです。

認知症などにより、判断能力が低下し財産管理や相続対策ができなくなることへの備えとして、信頼できる家族に財産を託し、本人の希望に沿った財産管理・処分を家族に任せる仕組みです。

家族信託には遺言代用機能があります

家族信託は、信託契約書で信託財産の運用や処分等の希望のほか、本人の死後に残余財産を誰にどのように分配するのかもあらかじめ指定できます。このように、遺言代用機能の存在も、家族信託の特長の一つです。

2.家族信託の登場人物

家族信託は下記の人が登場します。

委託者(財産を持っている人)

受託者(委託者の財産を託され、管理、運用、処分する人)

受益者(財産の管理運用処分で利益を得る人)

法務局資料より抜粋/https://houmukyoku.moj.go.jp/kobe/content/001354479.pdf

各登場人物の留意点について/

委託者

●一般的に、委託者と受益者が同一人物であることが多いです。しかし、信託目的によって、委託者と受益者が異なるケースもあります。

受託者

●受託者は、契約で決められた目的や権限に従い、信託財産の管理運用や処分を行います。それにより、生じた利益は受益者に渡します。受託者が信託財産を取得し、受益者のために信託財産として管理するイメージです。

●受託者は、他人の財産の管理運用等を行うため、信頼できる人物でなければなりません。受託者は財産を管理する重要な役割があるため、慎重に選ぶ必要があります。

未成年者、成年被後見人、被保佐人は受託者になれません。ただし、受託者がいなくなってしまうと信託が継続できないため、予備的に第2受託者を定めておくことができます。一般的に、受託者は、可能であれば委託者よりも若い方が望ましいとされています。

受託者になるのに、特別な資格は必要ありません。家族はもちろん、他の親戚や友人など家族以外の第三者でもなれます。複数人や法人でも受託者への就任が可能です。もっとも、未成年者や専門家(弁護士や司法書士などは信託業法に抵触する可能性があるため)などは受託者になれません。

受益者

受益者は受託者と違い、誰でも受益者になれます(受益者となる際の意思表示不要)。よって、未成年者や障がいのある子供、認知症の方等を受益者とすることも可能です。

●受益者が受ける受益権の具体例としては以下のようなものがあります。信託財産から生活費を受け取る、自宅に住む、自宅の売却代金を施設入所費に使う等です。

その他留意点

●家族信託は、財産を託す人(委託者)と託される人(受託者)の間で内容を定めて、契約を締結します。

●よって、委託者は、契約時に契約内容を理解できるだけの判断能力が必要になります。判断能力が低下した後では、家族信託を利用できません。

●家族信託は、委託者と受託者の間で信託契約を定め、契約を締結することが必要です。従って、「委託者の判断能力が十分あるうちに導入すること」が前提となります。

●家族信託は、委託者の財産を託すことが出来る、信頼できる受託者がいることが必要です。家族はもちろん、親戚や友人であっても受託者になれるので、ご家族がいない方でも利用できます。

●信頼できる家族(または第三者)に財産を託し、本人の希望に沿った財産管理・処分を任せることで、(本人の財産保護がメインとなる成年後見制度と比較して)より柔軟な財産管理等が可能になります。

3.家族信託の活用事例

家族信託な下記のようなケースに活用できます。

認知症の資産管理

認知症の親(委託者)の資産を子(受託者)に管理してもらいたい。

障がいのある子どもの資産管理

親(委託者)の死後、障がいのある長男(受益者)の生活を守るために、次男(受託者)に資産を管理してもらいたい。

永代供養をお願いしたい

自分(委託者)の死後、家族の墓の永代供養をするための費用を信頼できる人(受託者)に託したい。

家族信託は、本人の判断能力が低下する前に信託契約締結することにより、死後に効力が発生する遺言と異なり、生前に信託目的に沿った内容の実現が可能になります。

※本人(委託者)の死後に発生する契約内容については、本人である遺言者の死亡時に効力が発生します。

さて、家族信託について、少しでも理解が深まりましたか?

今回は、家族信託の基礎知識をお伝えしました。今後も家族信託についての情報を発信していきたいと思います。

ファイブ行政書士法人では、家族信託についても相談を承っております。

初回相談は無料ですので、お気軽にご相談、お問合せください

法定相続情報証明制度について【No.3】

こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野です。

みなさんは、相続手続きをスムーズに進められる「法定相続情報証明制度」をご存知でしょうか。

この制度は、相続登記を促進するため、平成29(2017)年5月29日に運用が開始されました。

\今回は、この「法定相続情報証明制度」についてお伝えします/

目次

1.法定相続情報証明制度について

2.本制度利用のメリット

3.法定相続情報証明制度手続きについて

1.法定相続情報証明制度について

法定相続情報証明制度」は、相続登記を促進するために、法務省において創設され、2017年5月29日から運用が開始されました。なお、令和6年4月1日から、相続登記申請が義務化されました。

本制度創設の背景には、昨今の所有者不明土地問題や空き家問題があり、相続登記申請の義務化に伴い、相続手続きを円滑に進める狙いがあります。

◆法定相続情報証明制度の概要

●この制度を利用することにより、相続登記、被相続人名義の預金の払い戻しや相続税の申告など、各種相続手続きで戸籍書類一式の提出の省略が可能になります。

\法定相続情報証明制度を利用することで、相続手続きの負担が軽減されます/

相続手続きと必要書類(戸籍謄本等)について

\(見本)法定相続情報一覧図の写し/

https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001394034.pdf

◆制度の背景

不動産の所有者が死亡した場合、所有権移転登記(相続登記)が必要です。しかし、近時、相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し、所有者不明土地や空き家問題の一因となっています。そのため、法務省において、相続登記を促進するため「法定相続情報制度」が新設されました。

◆制度の狙い

相続手続きの負担軽減

法定相続情報一覧図の写しが、相続登記申請や預金の払い戻し等、様々な手続きで利用されることが想定されます。相続手続きに係る相続人および手続き担当者双方の負担が軽減されます。

◎相続登記必要性の意識向上

本制度を利用する相続人に、相続登記のメリットや相続登記を放置することのデメリットを登記官が説明することを通して、相続登記の必要性について意識が向上することが期待できます。

2.本制度利用のメリット

\本制度利用には、下記のメリットがあります/

法定相続情報証明制度利用の費用が無料

本制度は、無料で利用できます。「法定相続情報一覧図の写し」を必要枚数、無料でもらうことができます。

相続手続きがスムーズ

従来の相続手続きに必要な戸籍謄本等書類の束に代え、「法定相続情報一覧図の写し(A4一枚程度)」が交付されます。この一覧図の写しを、相続手続きが必要な各種窓口で提出することで、相続手続きの同時進行が可能になりました。

5年間は再交付が可能

提出された法定相続情報一覧図は、登記所において5年間保管されます。法定相続情報証明制度の申出をして証明書を発行してもらった場合、その後5年間は再交付を申請できます。

代理人による申出が可能

提出した戸籍謄本は返却される

法務局に提出した戸籍謄本は、登記官が内容を確認した後、一覧図の写しを交付する際に返却します。なお、委任状は、原則返却されませんが、原本と併せてコピー(原本と相違がない旨を記載し、代理人の記名がされたもの)が提出された場合は、その原本も返却されます。

3.法定相続情報証明制度手続きについて

法定相続情報証明制度利用の手続きは下記手順で行います。

1.申し出

2.登記官による確認・相続一覧図の交付

3.利用

1.申し出

① 戸除籍謄本等の収集

② 法定相続情報一覧図の作成

③ 申出書を記載し、1.2.の書類を添付して申出します。

2. 登記官による確認・相続一覧図の交付

①登記官による確認、法定相続情報一覧図の保管。

②認証文付き法定相続情報一覧図の写しの交付、戸除籍謄本等の返却。

3.利用

①各種の相続手続への利用

※戸籍等書類一式にかわり各種手続きにおいて提出が可能に。

※相続放棄や遺産分割協議の書類は別途必要。


さて、今回は、法定相続情報証明制度についてお話しました。法定相続情報証明制度について、少しでも理解が深まっていらっしゃれば幸いです。

ファイブ行政書士法人でも、戸籍謄本の収集や法定相続情報一覧図の作成が可能です。

初回相談も無料ですので、お気軽にお問い合わせください/

どうぞよろしくお願いいたします。

ビザ(査証)と在留資格の違いとは? ~入国時に必要なビザ、滞在活動を示す在留資格~ 【No.1】

こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野です。今回は、混合しやすい「ビザ(査証)」と「在留資格」の違いについて説明します。

さて、「留学ビザから、就労ビザに切り替える」などの表現を耳にしたことはありますか?実際、ビザは入国の許可証のような性質のものなので、「留学ビザから、就労ビザに切り替える」という文脈では、本来のビザの定義をに当てはめると、意味が通じない表現になってしまいます。

このように、ビザが在留資格と同じ意味で使われるケースも多く、両者は混同されがちです。しかし、ビザ(査証)と在留資格は定義や目的が異なります。今回は、そのビザ(査証)と在留資格について説明します。

1. ビザ(査証)とは

2. 在留資格とは

3. まとめ

ビザを「外国人が日本に滞在するための許可」と考える方が多くいます。しかし、実際は、入国を認めるために発行する入国許可証のようなものなのです。

それでは、はじめに、法務省サイトの「出入国審査・在留審査Q&A」を確認しましょう。

A1. ビザとは、在外公館で発行されるもので、その外国人が持っている旅券(パスポート)が有効であるという「確認」と、ビザに記載された条件により入国することに支障がないという「推薦」の意味を持っています。(法務省ホームページより抜粋)

うーん、、難しい。。ちょっと分かりにくいですね。

次は、外務省のサイトで確認しましょう!

「ビザ(査証)」とは、日本に入国しようとする外国人が所持する旅券(パスポート)が真正であり、かつ日本への入国に有効であることを外務省・在外公館が確認するもので、それぞれ定められた条件の下で、当該の外国人の本邦への入国(滞在)が適当であることについての「推薦」という性質を持ちます。したがって、「査証」は上陸審査を通過すればその役割も終わります。(外務省ホームページより抜粋)

どうでしょうか?少しでも、ビザの目的や定義について理解が深まったでしょうか。ビザについて下記にまとめました。

●渡航先の政府が、外国籍の渡航者に対し、入国を認めるために発行する入国許可証のようなもの入国時に使用し、入国すると、その機能を終えます

ビザ(査証)は、無条件で発行されるわけではなく「有効なパスポートを所持しているか」「入国するのにふさわしい人物か」などの基準で審査を行い、書類や面接を通じて問題がないと判断された場合に発行されます。

それでは、「在留資格」とは何でしょうか。

同じく、法務省「出入国審査・在留審査Q&A」を見てみましょう。

▶ Q17. 在留資格とは何ですか。

A17. 在留資格とは、外国人が我が国に入国・在留して従事することができる活動又は入国・在留できる身分又は地位について類型化し、法律上明らかにしたものであり、現在38種類の在留資格があります。

それでは、次に外務省のサイトで確認しましょう!

▶在留資格とは

「在留資格」とは、外国人が日本で行うことができる活動等を類型化したもので、法務省(出入国在留管理庁)が外国人に対する上陸審査・許可の際に付与する資格です。一般に、「在留資格」が誤って「ビザ」と呼ばれることがありますが、正しくは上記のとおり全く別のものです。(外務省ホームページより抜粋)

いかがでしょうか?ビザと在留資格の違いについて、少しでも理解が深まれば幸いです。在留資格についても下記でまとめました。

●外国人が日本に入国・在留して行うことのできる活動等を類型化したものです。

在留資格は、外国人が日本に滞在する根拠となります。「出入国管理及び難民認定法」に定める活動を行うことができます。つまり、「あなたは、■■の活動をするために日本に滞在してもよい」と示すものです。

●日本に入国し、在留する外国人は原則、出入国港において上陸許可を受けいます。日本に入国する外国人は、その際に決定された在留資格により在留することになります

●在留資格は、法務省入国管理局の管轄で、在留資格取得を認めるかどうかは法務大臣の広範な裁量によります。

●ビザは入国時に必要。

●在留資格は日本に在留するために必要。

今回は、ビザ(査証)と在留資格の違いを説明しました。

外国籍の方で、日本滞在を検討されている方はぜひファイブ行政書士法人にお問い合わせください。

初回相談は無料です!ぜひお気軽にご相談ください

深夜における酒類提供飲食店営業の届出について_vol.1

こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野(かんの)です。

今回は、「深夜における酒類提供飲食店営業の届出」についてお伝えします!

目次

1.深夜における酒類提供飲食店営業の届出とは?

2.深夜における酒類提供飲食店営業の届出の要件

3.深夜における酒類提供飲食店営業の届出に必要なもの

4.深夜における酒類提供飲食店営業の届出の申請方法

1. 深夜における酒類提供飲食店営業の届出とは?

・正式名称は「深夜における酒類提供飲食店営業開始届出」。

・届出には、飲食店営業の基になる「飲食店営業許可証」が必要(提出書類の一つに、「保健所の飲食店営業許可証の写し」があります。)

・届出先は、営業所の所在地を管轄する警察署。

・届出は、営業開始10日前までに届出をする必要。(届出に予約が必要な場合もあるので、事前に電話で所轄警察署に確認しましょう。併せて必要書類の確認も行い、書類不備を防ぎましょう!)

・「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要な飲食店とは、飲食店のうち、午前0時から午前6時までの深夜にお酒をメインに提供するお店を指します。

・深夜にお酒を提供する飲食店のすべてが「深夜酒類提供飲食店営業の届出」が必要なわけではなく、主にお酒を提供することを目的としない飲食店(例えば、ラーメン屋、うどん・そば店、定食屋やレストラン、中華料理店など食事がメインのお店)については、メニューの一部にアルコールが含まれていても深夜酒類提供飲食店営業開始届は不要です。

2. 深夜における酒類提供飲食店営業の届出の要件

届出には、下記2つの要件があります。

●場所的要件

私たちの生活場所の多くは、都市計画法で用途地域というものが定められています。そして、この用途地域の中には、深夜酒類提供飲食店を営業することができない区域があります。用途地域による営業の可否は各都道府県の条例で定められていますので、店舗の所在地の条例で用地地域の確認をすることが必要です。一般的に、下記の区域で深夜酒類提供飲食店の営業が禁止されています。

(深夜酒類提供飲食店営業禁止区域)

・第1種低層住居専用地域

・第2種低層住居専用地域

・第1種中高層住居専用地域

・第2種中高層住居専用地域

・第1種住居地域

・第2種住居地域

・準住居地域

・田園住居地域

※原則、店舗の所在地が住居専用地域、住居地域(準住居地域も含む)以外であること。商業地域であれば営業が可能。

※工業専用地域においては、そもそも飲食店の営業ができないので、深夜酒類飲食店営業もできません。

※用途地域は、インターネットで調べたい市区町村と用途地域、もしくは都市計画図と検索すれば閲覧できます。

●営業所(店舗)の設備要件など

深夜酒類提供飲食店営業をするには、風営法施行規則に則り、以下の要件を満たす必要があります。

・客室の床面積が9.5平方メートル以上(客室が1室の場合は除く)。

・客室の見通しを妨げるような設備がない。

・風俗環境に害を与える写真や装飾などがない。

・客室の出入口に施錠設備を付けない(店外に通じる出入口は除く)。

・照度が20ルクス以下にならないようにする。

・騒音や振動が各都道府県の条例で定める数値以下であること。

※上記の要件を満たしていない状況で営業をすると、風営法違反となりますのでご注意ください。

3. 深夜における酒類提供飲食店営業の届出に必要なもの

※上記は、一般的な必要書類の例です。警察署により必要書類が異なることがありますので、事前に所轄の警察署に確認後書類を準備してください。

4.深夜における酒類提供飲食店営業の届出の申請方法

・営業所の所在地を管轄している警察署に必要書類を持参します。届出の手数料は無料です。

・郵送、インターネット申請はできません。

・行政書士が代理で届出をする場合でも、警察署によっては届出時(受理時)に事業者の同伴を求められる場合があります。事前に確認してください。

・届出をせずに深夜に酒類提供飲食店営業を行った場合、風営法第34条の規定により50万円以下の罰金に処される可能性があります。ご留意ください。