【第1回】外国人雇用の検討で知っておきたいこと

「人手不足だから外国人の採用を考えているけど、正直、何から始めればいいのか分からない…」

これは、多くの中小企業の経営者の方からよく聞く声です。外国人雇用は、正しく進めれば大きな戦力になりますが、最初の理解があいまいなまま進めると、思わぬトラブルにつながることもあります。

今回は、「外国人を雇用する前に知っておきたいこと」をテーマに全3回に分けて解説します。

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【第1回】外国人雇用の検討段階で知っておきたいこと

【第2回】外国人を採用する際の注意点と手続き

【第3回】外国人雇用後に企業が注意すべきこと

【第1回】 外国人雇用の検討段階で知っておきたいこと

今回は、外国人雇用を検討する段階で、最低限知っておきたいポイントをできるだけ分かりやすくお伝えします。

目次

① 外国人雇用は、最初の理解がとても大切

② 在留資格の確認は必須

③ 労働ルールは日本人と同じが基本

① 外国人雇用は、最初の理解がとても大切

外国人雇用を検討する段階で、まず始めに知っておくべきポイントは、外国人は「誰でも・どんな仕事でも」できるわけではない。ということです。

一番の留意点は、
外国人は、在留資格(ビザ)によって働ける仕事が決まっているという点です。

たとえば、

  ◆ 事務職はOKでも、現場作業はNG

  ◆ フルタイムはOKでも、アルバイトは不可

といったケースもあります。

👉 「人手が足りないから、とりあえず雇う」という考え方は、外国人雇用では通用しないので、注意が必要です。

② 在留資格の確認は必須!

「外国人は、在留資格(ビザ)によって働ける仕事が決まっている」ことから、「在留資格(ビザ)」の確認が一番大事なポイントです。

外国人雇用で最も重要なのが、その人がどんな在留資格を持っているかです。

よくある在留資格の例として以下がありますが、大きく「就労できる資格」「就労できない資格」があります。以下の例では、留学は基本的には「就労できない資格」ですが、「資格外活動」という許可を得れば、一定条件の範囲で働くことができます(アルバイト)。

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 特定技能
  • 留学(※原則アルバイトのみ)

在留資格により、

  • 働ける / 働けない
  • 働ける仕事内容
  • 労働時間
  • 雇用形態

が変わってきます。

💡 この確認をせずに雇うと、企業側が罰則を受ける可能性もあるので、注意が必要です。

③ 労働ルールは日本人と同じが基本

意外に思われるかもしれませんが、「外国人=特別扱い」ではありません 。外国人であっても、労働条件は日本人と同じ考え方が基本です。

  • 最低賃金は守る
  • 残業代は支払う
  • 労働時間の管理をする

「外国人だから安く雇える」という考えは、法律的にも、実務的にもNGになりますのでご注意ください。

検討段階でやっておくと安心なこと

外国人雇用を考え始めたら、次の3点を整理しておきましょう。

  ① どんな仕事を任せたいのか

  ② その仕事に合う在留資格は何か

  ③ 社内でサポートできる体制があるか

    👉 ここを整理しておくだけで、次の「採用手続き」がぐっとスムーズになります。

    【第1回まとめ】

    • 外国人雇用は、最初の理解がとても大切
    • 在留資格の確認は必須
    • 日本人と同じ労働ルールが基本

    次回は、

    「実際に採用するとき、何に注意してどんな手続きが必要なのか」を具体的に解説します。

    外国人雇用、最初の一歩で迷っていませんか?

    「外国人雇用に興味はあるけれど、自社の場合、そもそも雇えるのか分からない」そんな段階でのご相談も大歓迎です。

    • どんな在留資格が合うのか
    • 今の業務内容で問題ないか
    • 何から準備すればいいのか

    など、検討段階だからこそ気になる疑問を、分かりやすく整理してお答えします。

    しつこい勧誘や無理に話を進めることはありません。初回相談無料、まずはお気軽にお問い合わせください。

    外国人を初めて雇う会社が必ずつまずく5つのポイント【社労士解説】

    「外国人を雇うのは、手続きが少し増えるだけ」
    そう考えて採用を進め、後から大きなトラブルになる会社は少なくありません。

    実際、外国人雇用で問題が起きる原因の多くは、
    外国人本人ではなく 会社側の理解不足・準備不足 です。
    多くの企業が陥る最大の誤解は、「外国人採用は日本人採用の延長線上」と考えてしまうことです。

    外国人雇用は、
    法令違反にならないように採用できるか
    ・働き続けてもらえるか
    ・トラブルにならないか

    そのほとんどが 採用前の設計段階 で決まります。

    「雇ってから考える」は、外国人雇用では通用しません。

    本記事で、社会保険労務士として実務で多く見てきた
    「外国人を初めて雇う会社が必ずつまずく5つのポイント」

    解説します。

    目次

    1. つまずき① 在留資格と仕事内容が合っていない
    2. つまずき② 雇用契約書の不備
    3. つまずき③ 社会保険・雇用保険の勘違い
    4. つまずき④ 助成金が使えることを知らない
    5. つまずき⑤ リカバリーができない

    最も多い失敗がこれです。
    在留資格(ビザ)は、
    「どんな仕事をするか」 で判断されます。
    例えば、

    • 技術・人文知識・国際業務
    • 技能実習
    • 特定技能
    • 留学
    • 日本人の配偶者

    それぞれ 従事できる業務内容が明確に決まっています。

    よくある誤解

    • 「事務作業も現場作業も両方やらせたい」
    • 「最初は簡単な作業から」

    👉️これが 違反の原因 に繋がる可能性があります。
    最悪の場合には、

    • 不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
    • 今後の外国人受入れができなくなる
    • 企業の社会的信用の失墜

    外国人だからといって、
    労働条件を不利にしてはいけません。
    また、口頭で約束した家賃手当支給を

    給与に反映していない場合なども
    トラブルの原因となります。

    注意点

    • 業務内容が曖昧
    • 配置転換の範囲が広すぎる
    • 在留資格との整合性が取れていない

    👉️雇用契約書は入管にも見られる書類 です。

    留学生を「学校卒業を条件」として雇い入れる場合は
    「停止条件付雇用契約」を締結することも重要なポイントです。

    「外国人だから社会保険に入れなくてもいい」
    これは
    完全な誤り です。

    • 正社員(フルタイム)
    • 週30時間以上勤務するパート・アルバイト

    であれば、日本人と同様に
    「社会保険」「雇用保険」に加入義務があります。

    リスク

    未加入の場合は、下記から調査・指摘の可能性があります。

    • 労働基準監督署
    • 年金事務所
    • 入管

    👉️保険料の追徴を課せられるケースもあります。

    外国人雇用でも、
    条件を満たせば助成金が使えるケースがあります。
    しかし多くの会社が、

    • 就業規則が未整備
    • 雇用契約内容に不備がある
    • 申請時期を過ぎている

    といった理由で、
    「本来は受給できた助成金を逃している」
    という実態です。

    ポイント

    • 事前に就業規則を整備
    • 計画届などの事前提出書類を確認
    • 賃金要件・法令を満たすように給与計算

    👉️雇用前からの設計が重要です。

    外国人雇用においては、
    在留資格の手続きや雇入れ後のトラブル発生に対し、
    リカバリーができないケースがあります。
    具体的には、

    • 在留資格の不許可
    • 未払い賃金を主張される
    • 行政指導を受ける

    対応策

    • 雇用前に社内整備をする
    • トラブルが発生する前に社労士に相談する
    • 外国人雇用に関する法令を理解する

    👉️日本人と同様ではないことを意識することが重要です。

    外国人雇用でトラブルが発生する会社の多くは、

    • 悪意がある
    • 法令を無視している

    わけではありません。

    「知らなかった」「日本人と同じで大丈夫だと思った」
    これが原因です。

    だからこそ、
    採用前の確認と設計 が何より重要になります。

    お問い合わせ

    外国人雇用や助成金は、
    問題が発生してからでは選択肢が大きく狭まります。
    ファイブ社会保険労務士法人では、

    • 外国人雇用の事前チェック
    • 在留資格と雇用契約内容の確認
    • 助成金の可否判断

    を行っています。

    お気軽にお問い合わせください。
    ファイブ社会保険労務士法人
    ☎06-6180-3393

    【全3回】外国人雇用について(第1回)雇用の前に確認すべきこと【No.18】

    こんにちは!ファイブ行政書士法人の菅野です。

    今回のテーマは、「外国人雇用」についてです。今回を第1回とし、3回に分けて「外国人雇用」について、わかりやすく解説します。

    最近、お客様とお話しする中で、人手が足りないという言葉を聞く機会が増えました。外国人の雇用を検討されている経営者の方も多い印象です。

    外国人が日本で就労するには、日本で従事する職務内容に応じた在留資格が必要です。そもそも企業が外国人を雇用しようと検討する際、どのような点に留意すべきでしょうか。以下の構成で「外国人雇用について」解説してきます。

    外国人を雇用しようと検討する際、企業が雇用する前に確認すべきことは大きく2つあります。

    外国人労働者が担当する業務内容の決定

    在留資格の確認

    それぞれ詳しく解説します。

    外国人労働者が担当する業務内容の決定

    日本人労働者は、企業と労働者の労働契約によって在職中の労働者の職種を変更できることが一般的です。しかし、外国人が日本で就労する場合、外国人の在留資格(※)は、従事する職務内容によって決まるため、在職中の職種変更は原則認められないので注意が必要です。

    ■ 在留資格(※)

    在留資格とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要な法的な資格です。在留資格は、外国人が日本で在留できる活動を類型化したもので、現在38種類の在留資格があります(※)。外国人は日本で行う活動に応じた在留資格を取得して、在留することができます。在留資格の中には、留学や家族滞在など原則、日本で働くことができない資格もあるので留意が必要です。

    ■ 在留資格の種類

    在留資格は大きく3つに分かれます。

    就労に制限がない在留資格(永住者や日本人配偶者など)

    就労に制限がある在留資(技術・人文知識・国際業務や特定技能など)

    就労不可の在留資格(留学や家族滞在など)

    外国人が日本で働く場合、①か②の就労可能な在留資格が必要です。(③も資格外活動許可を得れば、制限内で就労が可能です。資格外活動については後述します)

    日本に一定期間住んでいる外国籍の方で永住権を取得している、外国人の配偶者が日本人で、日本人配偶者として日本で生活をしているなど、「身分系の在留資格」があるケースです。①の場合、外国人が日本で働く際、就労制限がないため、日本人同様、(法律に反するケースを除いて)どんな仕事、職務内容でも就労することができます

    ②は、在留資格で認められた活動の範囲で働くことができます。しかし、裏を返せば、認められた活動範囲を超える就労はできません(就労に制限がある)。例えば、外国人留学生が学校卒業後、日本企業で就職する際、職務内容に応じた在留資格に変更して働くことになりますが、付与された在留資格の活動を超えて収入を伴う活動(仕事)はできず、その場合、不法就労となるので注意が必要です。

    【注意すべきポイント】

    ● 外国人が付与された在留資格の活動以外で収入を伴う活動を行う場合は、不法就労(※)となり退去強制等に処せられます。

    在留資格で認められた職務以外に就かせた場合、企業側は不法就労助長罪(入管法第73条の2)に該当するので注意してください。

    不法就労助長罪とは

    働くことが認められていない外国人を雇用した事業主や、不法就労をあっせんした者

    罰則

    3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその併科

    外国人の雇用時に、当該外国人が不法就労者であることを知らなくても、在留カードの確認をしていない等の過失がある場合は処罰の対象となります。又、その行為者を罰するだけではなく、その法人、雇用主等に対しても罰金刑が科せられます。

    (出典)警視庁/不法就労者を雇用した事業主は不法就労助長の処罰対象になりますhttps://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/live_in_tokyo/tekiseikoyo.html

    ■ 不法就労(※)

    不法就労とは、在留資格で認められていない仕事(活動)をすることです。上述したように、外国人は日本で行う活動に応じた在留資格を取得して、在留することができますが、外国人が付与された在留資格の活動以外で収入を伴う活動を行う場合は、不法就労となり退去強制等に処せられるので注意してください。

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    ※ 参考までに下記、鹿児島労働局Q&Aから抜粋した「不法就労」についての質問と回答を載せています。

    Q6 不法就労者とはどのような場合をいいますか。

    A 1. 我が国に不法に入国・上陸したり、在留期間を超えて不法に残留したりするなどして、正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動

    2. 正規の在留資格を持っている外国人でも、許可を受けずに、与えられた在留資格以外の収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動

    (鹿児島労働局)Q&A https://jsite.mhlw.go.jp/kagoshima-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/nennshougaikoku/0906.html

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    ポイント① 外国人労働者が担当する業務内容の決定

    外国人を雇用する際はどのような職務(業務内容)で、職務遂行のために外国人労働者にどのような能力が必要なのかを明確にし、担当する職務を決定しましょう

    職種を変更したい場合、「在留資格変更許可申請」をすれば可能ですが、新たな資格で許可を申請するため、申請すれば必ず許可が下りるとは限らない点、また、変更許可申請のための書類準備や手数料(許可された際に6,000円)、申請から許可までに時間を要する点などに留意が必要です。

    在留資格の確認

    上述したように、在留資格とは、外国人が日本に滞在して活動するために必要な法的な資格です。採用の際は、求人に応募があった時点で取得している在留資格で就労が可能かどうか、取得している在留資格でどんな活動(仕事)ができるかどうか確認しましょう

    なお、在留資格の種類は外国人が持っている「在留カード」で確認ができます。

    在留カードの表面には、「在留資格の種類」(下記サンプルでは「留学」)や「就労制限の有無(下記サンプルでは「就労不可」)」で確認ができます。

    裏面には「資格外活動許可の有無」が記載されています。下記サンプルには、「原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」とあります。

    ■ 資格外活動とは

    「留学」は原則就労できない在留資格ですが、就労や留学等の在留資格で在留する外国人の方が、許可された在留資格に応じた活動以外に、アルバイトなど、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に行う申請(「資格外活動許可申請」を行い、許可を受ければ、(その他要件もありますが)原則1週に28時間以内の収入を伴う事業が可能です。

    上記では、留学生が資格外活動許可を受け、原則1週に28時間以内のアルバイト等を行える状態であることが分かります。

    ●出典:出入国在留管理庁/在留カードについてhttps://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/whatzairyu_00001.html

    ポイント② 在留資格の確認時のポイント

    在留カードの有無を確認

    在留カードのコピーでは内容を改ざんされるおそれがあるので、身分確認の時は必ず、実物の在留カードで確認してください。

    在留カード表面の就労制限の有無欄を確認

    • 「就労制限なし」の場合、就労内容に制限はありません
    • 「就労不可」の場合、原則雇用はできませんが、在留カード裏面の資格外活動許可欄をご覧下さい。
    • 一部就労制限がある場合は制限内容をご覧下さい

    在留カード裏面の資格外活動許可欄を確認

    在留カード表面の「就労制限の有無」欄に「就労不可」または「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載ある方であっても、裏面の「資格外活動許可欄」に記載された制限に基づき就労することができます。

    • 許可(原則週28時間以内・風俗営業の従事を除く)
    • 許可(資格外活動許可書に記載された範囲内の活動) など

    在留カードを所持していなくても就労できる場合

    「3月」以下の在留期間が付与された方等は旅券で就労できるかを確認してください。「留学」「研修」「家族滞在」「文化活動」「短期滞在」の在留資格を持って在留している方は資格外活動許可を受けていない限り就労できません

    (警視庁)外国人の適正雇用についてより抜粋

    https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/anzen/live_in_tokyo/tekiseikoyo.html

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    さて、今回の第1回は「外国人を雇用する前に確認すべきこと」について解説しました。

    次回は、外国人雇用についての第2回として、「外国人の雇用パターン」について解説します。

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