こんにちは。ファイブ行政書士法人の菅野です。
本日のテーマは、農業者の方への支援制度『認定新規就農者制度』および『認定農業者制度』についてです。農業経営の支援制度を検討されている方必見の情報をお届けします!
1. はじめに
日本の食を支え、地域経済に貢献する農業は、その未来を担う新規就農者の確保と、既存の農業経営のさらなる発展が常に求められています。国や自治体は、こうした目標を達成するため、農業者の皆様を多角的に支援する様々な制度を設けています。
本日は、農業経営のスタートアップから成長期、発展期までを力強くサポートする二つの柱、『認定新規就農者制度』 と 『認定農業者制度』 について、それぞれの概要と主なメリット、そして両者の違いを分かりやすく解説します。これから農業を始めたい方、そして現在の経営をさらに発展させたい方への情報です。
2. 農業の第一歩を応援!『認定新規就農者制度』とは
『認定新規就農者制度』 は、新たに農業を始める方が、ご自身の農業経営の構想をまとめた「青年等就農計画(通称:就農計画)」を作成し、営農(予定)地の市町村から認定を受け、その計画に沿って農業を営む認定新規就農者に対して重点的に支援措置を講じる制度です。
✅対象者
対象者は、新たに農業経営を営もうとする青年等で、以下に当てはまる方です。
- 青年(原則18歳以上45歳未満)
- 特定の知識・技能を有する中高年齢者(65歳未満)
- 上記の者が役員の過半数を占める法人
※農業経営を開始して一定の期間(5年)を経過しない者を含みます。
※認定農業者は含みません。
📌制度の目的と主なメリット
この制度は、意欲ある新規就農者の育成と、安定的な定着を目的としています。
- 就農準備資金・経営開始資金: 農業研修中や経営が軌道に乗るまでの生活資金を支援します。
- 無利子融資制度: 農業機械や施設の導入に必要な資金を優遇金利(無利子の場合も)で借り入れが可能です。
- 農地の優先あっせん: 農業委員会などから、適切な農地を紹介してもらいやすくなります。
📘ワンポイント・アドバイス
「青年等就農計画」は、あなたの農業経営の具体的なビジョンを示す重要な書類です。
どのような作物を、どのくらいの規模で、どのように収益を上げるのか、資金計画などを具体的に、かつ実現可能性の高い内容 でまとめることが認定の鍵となります。地域の農業指導機関や行政書士に相談しながら作成を進めるのがスムーズです。
3. 経営改善と発展を支援!『認定農業者制度』とは
次に、『認定農業者制度』 は、既に農業を営んでいる方や農業法人 を対象とした制度です。
効率的で安定的な農業経営を目指すため、市町村が定める農業経営基盤強化促進基本構想に示された農業経営の目標に向けて、「農業経営改善計画(通称:改善計画)」を作成し、市町村(複数市町村で農業を営む場合は、営農区域に応じて都道府県又は国)から認定を受けると、以下のような支援を受けることができます。対象者は、既に農業を営む方、農業法人です。
📌制度の目的と主な支援
この制度は、既存の農業経営の改善と発展を促進し、持続可能な農業構造を確立することを目的としています。
- スーパーL資金(農業経営改善促進資金): 農業経営改善に必要な長期・低利の融資を優先的に利用できます。
- 税制上の優遇措置: 特定の農業用資産に関する固定資産税の軽減や、農業所得の優遇などがあります。
- 補助金・助成金の対象: 経営改善や規模拡大に資する国や自治体の補助事業の対象となりやすくなります。
📘ワンポイント・アドバイス
「農業経営改善計画」では、現在の経営状況を分析し、「〇年後に農業所得を〇%向上させる」「労働時間を〇%削減する」といった、明確で測定可能な目標設定 が重要です。
計画は一度作って終わりではなく、定期的に見直し、改善サイクルを回していく意識が大切です。
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4. 目的と対象で選ぶ!二つの制度の比較と活用法
二つの制度は、その目的と対象者において明確な違いがあります。以下に主要な点をまとめました。
| 項目 | 認定新規就農者制度 | 認定農業者制度 |
|---|---|---|
| 主な対象者 | これから農業を始める方、または5年未満の方 | 既に農業を営む方、農業法人 |
| 制度の主な目的 | 新規就農者の育成・確保、定着の支援 | 効率的・安定的な農業経営の確立・発展 |
| 提出する計画 | 青年等就農計画 | 農業経営改善計画 |
| 経営段階 | 導入期・育成期 | 安定期・発展期 |
このように、『認定新規就農者制度』は「新規就農の立ち上げ支援」、『認定農業者制度』は「既存経営の更なる発展支援」 という位置づけです。
⚡スムーズなステップアップ戦略
これから農業を始める方は、まず「認定新規就農者制度」を活用して経営基盤を確立し、経営が軌道に乗った段階で「認定農業者制度」への移行を目指す、というステップアップが理想的です。ご自身の現状と将来の目標に合わせて、最適な制度を選びましょう。
📘ワンポイント・アドバイス
どちらの制度も、市町村が主体の認定制度 であるため、地域の農業振興計画との整合性が求められます。計画策定にあたっては、まずお住まいの市町村の農業担当窓口や農業委員会に相談し、地域の情報を集めることが成功への第一歩です。
5. まとめ
本日は、『認定新規就農者制度』と『認定農業者制度』という、農業者の皆様にとって重要な二つの制度について詳しく解説しました。
これらの制度を上手く活用することで、新規就農者は安心して農業の第一歩を踏み出せ、既存の農業者は経営の安定化やさらなる発展を実現することが可能となります。
いずれの制度も「計画」の策定が認定の鍵となりますが、これはご自身の農業経営の未来を描き、実現するための大切なプロセスでもあります。
ファイブ行政書士法人では、これらの計画策定支援はもちろん、農地取得や法人設立など、農業経営に関する手続きをサポートしております。
ご不明な点やご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。皆様の農業経営がより一層発展するよう、全力で応援させていただきます。
参考資料
- 農林水産省ウェブサイト「認定新規就農者制度について」https://www.maff.go.jp/j/new_farmer/nintei_syunou.html
- 農林水産省ウェブサイト「認定農業者制度について」https://www.maff.go.jp/j/kobetu_ninaite/n_seido/seido_ninaite.html
